1 移転目的の確認
オフィスを移転する、とはいってもとりあえず移転するだけではたいして意味はありません。要点をしっかり確認しておきましょう。そうすることで、移転したことで大きなメリットが得られることにも繋がります。折角移転という大きなコストを要する行動を起こすのですから、きちんとはっきりさせておくほうがいいでしょう?というわけで移転目的というのはこのようなものがあります。”固定費削減””業務効率の向上””業務拡大””企業イメージの向上””オフィス環境改善””戦略的な拠点設置””ワークスタイル変化による移転””周辺環境の変化による移転”などがあります。それぞれに、それではどういう場所に、どんなオフィスに移転するのがいいかということを検討していきましょう。
2 解約予告期間の確認
今あるオフィスから別の場所に、オフィスを移転する、ということになると新しいオフィスを見つけるよりも先に、しなくてはいけないこともあります。それが「解約予告期間の確認」です。まずは、”どれくらい前に解約の予告をする必要があるのか”それを知らずに、通常の賃貸物件のように1カ月前に予告したら、”遅すぎた”ということもありますよ。大体の場合3か月前もしくは半年以上前というケースが多くなりますから計画的に移転の準備をしていかなくてはなりませんから、しっかりと、いつまでに解約予告をすべきなのか、あなたの今借りている物件の条件を確認し、把握しておきましょう。把握したらまず、その期間に新しいオフィスを抑えることができるように準備をすすめていくことになります。
3 原状回復条件の確認
オフィス物件も、通常の賃貸物件と同じように「原状復帰条件」というものが設けられています。その条件というのも、物件により様々です。中には現状引き渡しで良いというケースもあるかと思いますが、そのほとんどは賃貸契約を交わした時の状態に戻す必要が出てきます。普通に使用する分には経年劣化もありますから、その点に関しては管理会社で復旧してくれるということもありますが、経年劣化としてどこまでの範囲が認められるのか、それを知らないで引き渡しをした時に、思った以上に多く、原状復帰のための費用が請求されてしまった、中には自分でやっておけばもっと安く済んだのに・・なんていう事になるようなケースもありますから、そんな悔しい思いをしない為にもきちんと確認し、できることは対策をしておきましょう。
4 移転先検討・決定
オフィスを移転しようかな、ということをただ単に「気持ちを切り替えたくなったから」なんていう理由で軽くやってのける方も少ないと思います。ですが、どうして移転したいのか、その為にはどんなオフィスを探して移転先とするべきなのかということをしっかり検討しておかないと残念な移転になってしまうこともあるでしょう。たとえば、社員やご自身の負担を減らすための移転であれば社員の通勤時間や通勤にかかる費用の負担を減少できるかどうかということも大切ですし、最寄駅からの所要時間ということも重要になってきますよね。またしょっちゅう出入りがある取引先があるけど今まで遠くて大変だったから、ということであればその負担を減らせる場所なのかどうかということも考えたいところ。また設備や面積、オフィスとしての使い勝手をよくしたいということであれば新しいオフィスの室内形状や有効面積、場合によっては電力を多く使用するような設備が必要であれば電気容量などの確認も重要です。
5 移転計画立案
移転計画を立てるためには、何が必要になるかご存知でしょうか。通常の個人宅での引越しとは違うポイントをしっかり押さえておかないと、オフィスの移転計画はなかなか順調には進まなくなってしまいますよ。というわけで特に大切なのはまずは最初に何をすべきかということについてです。「移転日の決定」これはまっ先にやっておくべきこと。もちろんその前には「移転目的の確認」もしておくべきことではありますが、移転日を先にきめておかないと、新しいオフィスをいつ契約するか、また今のオフィスをいつ引き払い、その為の解約予告をいつまでにすべきなのかということが分からなくなってしまいます。オフィス物件というのは通常の賃貸契約よりも早く3か月前から半年前に解約を予告する必要があるケースが多いですから、しっかり計画的に進めていきましょう。
6 手続き庶務関係
オフィス移転には色々とやるべきことがありますが、その一つとして「手続き庶務関係」があります。通常の引越し上にしっかりとすすめておかないと移転したものの仕事が円滑にすすめられなかったり、移転自体がうまくすすめられなかったりしてしまうことにもなります。”引越し見積もり依頼””電話関連、インターネット、設備機器の移転手続き””郵便物の転送手続き””移転挨拶状の手配””社内印刷物の作成””預託金の返還時期の確認””取引のある企業への連絡”などは必須になってきます。もちろんその他、水道光熱費に関わる移転のための手続きもある場合もありますよね。どれもほとんど移転よりも早くできることばかりですからできることは早めに済ませておくことで、ゆったりとした気持ちで移転計画を進めていくこともできるでしょう。
7 オフィスプランニング
オフィスを移転するということになれば、必要になるのが「オフィスプランニング」です。新しい、移転先となるオフィスの間取り、室内形状などとあわせて電気配線なども含めてオフィスのレイアウトやデザイン、内装、などを検討していくことが必要になります。中には企業内で、ではなくて専門に請け負っているオフィスプランニングの業者に依頼されるという企業も増えていますから、そういったサービスを利用することでより素敵で、より快適なオフィスとすることもできるでしょう。内装デザインなどは素人が考えてもなかなかうまくいかないものでもありますから、得意としている業者に任せることで社員も満足して働くことができる素敵なオフィスにすることもできるでしょう。
8 内装・設備・インフラ工事
オフィスの移転では、移転準備をして、新しいオフィスで利用するインテリアを決めるだけでは理想のオフィスとすることは難しいケースも多くありますね。たとえば、IT系企業なら、多くのOA機器を利用することにもなるでしょう。その為には、快適に仕事ができるオフィス環境とするためには、電気工事や内装工事、電話工事にLAN工事などのインフラの設置も重要になってきます。その為にはオフィスのレイアウトなども先に決定しておく必要がありますよね。どのようなオフィスにしたいのかということを決定したら、そこから色々と計画を進めていくことができると思いますので、しっかりとプランニングをしていきましょう。工事関連は納期通りに終わるとも限りませんから、オフィス移転がしっかりと計画通り進められるようにするためにはできるだけ工事関連は早めに依頼しスタートしてもらう必要もあります。
9 引越し作業
オフィスの移転にともなう引っ越し作業というのは複雑で、膨大な作業になります。ただ荷物を詰めて送り出すだけではなく、その後どのように配置していくのかもわかるように什器などのナンバリングなども、新しいオフィスのイメージにあわせて行っていく必要があるわけです。それと今、企業として信頼を失う事に直結する「情報漏洩」についてもしっかりと検討する必要があるため、相応な業者に依頼をできるかということも重要になりますね。ですから、事前に計画を立てる段階から、引越し作業についてもしっかり準備を重ねておくことが大切になります。引越し作業は特に、オフィス移転をスムーズに終えるためにも重要なポイントになりますから、しっかり準備をして、スムーズに作業を終えられるように頑張りましょう。
10 関係官庁への届出
オフィスの移転というのは、やることがとにかく多く煩雑です。特に事務処理の一環でもある、「関係官庁への届け出」というものもあります。たとえば支店ではなく本店を移動させるという移転であれば、法務局への「本店移転登記」というて続きも必要になります。その他にも、”新旧税務局への異動届”と”都税事務所への異動届”、”社会保険事務所への事業所所在地変更届”、”労働基準監督署への名称所在地変更届”、”職業安定所への雇用保険事業所変更届”、”郵便局への郵便物届出変更届”の全てが必要になってきますから、手続きだけでも相当に時間がかかってしまう作業にもなります。ただでさえ煩雑で作業に忙殺されるオフィス移転を、計画通りに進めるためには色々とやらなくてはいけないことを計画的にこなしていくということも重要です。
11 原状回復工事
オフィスを移転するということになると、何をする必要があるのかということをまず把握しておく必要があります。今使っているオフィスを解約して新しいものを、ということになるわけですから、当然いま使用中のオフィスについては解約する必要もあるわけですが、オフィスとして賃貸している物件の解約は通常の賃貸物件のように1カ月前通告では遅いということも知っておく必要があります。ですから、オフィス移転を検討し始めた時にはすぐに「解約予告はいつまでにするべきで、どんな状態で引き渡す必要があるのか」ということを知っておく必要があるのです。中には、原状回復工事をしないといけないようなケースもあるかと思いますから、契約条件はしっかりと確認しておきましょう。