東京都は被害想定を見直し
オフィスでは守らなくてはいけない社員の命、そしてご自身の命をいかにして守るのかという大切で大きな課題があります。その為にまずしておかなくてはいけないのが「オフィスにおける地震対策」を講じるということ。東日本大震災以降大きな自信が増えてきている今、実は東京都では被害想定の見直しもしていました。首都直下型地震のM7.3、海溝型地震のM8.2、活断層地震のM7.4が追加されていて、最大震度7の地域もあり、震度6強の地域も多くなる、区部の大半は震度6となっていて、津波の被害予想もだされているとなれば、東日本大震災時の東京での被害よりさらに深刻なものになることも想定されていますから、それに相応した地震対策をしておきたいところです。
事業所による自助・共助の強化
オフィス、事務所ごとにこれからいつ起こるともしれない大震災にそなえておく、ということはもはや必須となっているもの。東京都も震災時の被害想定を大幅に、かなり深刻なものとして再検討済みですから、オフィス単位での自助・共助を更に強めておくことが重要にもなります。もちろん最重要課題となるのは”生命の安全確保”です。それとあわせて”二次災害の防止・事業の継続・帰宅困難者対策・地域貢献”といったことも重要といわれています。オフィス内だけではなくその周辺の環境についても安全であるように対策と確認をしておく必要がありますし、防災市民組織などとの協力、地域社会の安全を守るといったこと、そして災害時の避難などの訓練も大切です。実際に起こってしまった時に被害を最小限に食い止めるためには。事業者としてもいかにして行動を起こせるように心の準備もしておくかということでしょう。
オフィスの防災・地震対策の3大要素
オフィスとしての防災、地震の対策には、3つの要素があるともいわれています。実際に最悪の状況に陥ってしまった時、どのように対処をするか、その時への備えはどうするかということはもちろん重要ですが、「オフィスの建物の耐震強度と耐震対策はどうなっているのか」ということを知っておくということ。さらにはオフィスの内部については自衛として「インテリアなどの転倒防止」という策を講じておくことも重要です。思いオフィス家具が倒れてくると、出口をふさがれてしまったりすることにもなりますし、なにより下敷きになってしまったりする危険があります。逃げる為にも余計な被害を生み出してしまう事がないように、きちんと対策をしておきたいですね。
新耐震基準に適合しているか?
オフィスの建物については色々と把握できていますか?たとえば地震が起こった時にどれだけ安心できる建物かということも重要ですよね。最悪な事態になってしまったとしても建物がかなり耐震性が高く、外にでるほうが危ないかもしれないと思えるような場所であれば、知っているかいないのかということはかなり違いがあります。その為にも1981年6月から施工されている「新耐震基準」に該当している建物かどうかということも確認しましょう。オフィスビルですから建築年数でみるなら1984年以降だと安心かもしれませんね。さらに、耐震補強などを行っているビルもあったりしますから、その点どうなのかということをきちんと確認しておくと安心です。
レイアウトと家具類の転倒防止対策が鍵!
地震というのは防ぎようもなく、突然に襲ってくる自然の脅威です。東日本大震災の時にも体験された方も多いでしょうけれども、オフィス内にいても、色々と危険があり、「地震対策の大切さ」を痛感された方もいらっしゃるのではないでしょうか。オフィスでできる対策として、”家具の転倒防止”はもちろんのこと、”ガラスには飛散防止のシートをはる”ということもしておくと、オフィスビルの分厚いガラスに傷つけられることも防げます。家具の転倒防止には、収納にもポイントがあり、中に収納するものの重いものは床に近い部分にしまう、などいうこともかなり効果のあるポイントになるのだそうです。転倒防止のための固定は、きちんと金具を使って壁に固定しておくことをおすすめします。
備蓄確保と安否確認・情報収集手段の確保
大震災が起こると、まず交通アクセスはほとんど不可能な状態になりますから、帰宅が困難になるケース、また帰れるけれども途中のルートが危険、ということで施設内待機を余儀なくされることがあります。その為には備蓄が必要と思われる方は多いと思いますが、どのくらい備えるべきなのかわかりにくいですよね。大きな目安として「人数分3日分の備蓄」をしておくとよいそうです。特に生命線ともなる水や食料。水については一人1日3リットルは必要と言われていますが、多ければより安心でもあります。そして寒い時期のことも考えて毛布、その他衛生用品などの備品も必要な数はどんなものか確認しておくとよいでしょう。さらに安否確認手段として「固定電話や携帯電話の音声ネットワーク(災害伝言ダイヤルは171です)」や、「固定もしくはパケット通信ネットワークを利用するもの(SNS、ツイッターや災害時専用のWEBサイト)」の確認と共有をしておくとよいでしょう。
東京都帰宅困難者対策ハンドブック
オフィスの地震対策には色々と確認すべきポイントもあり、準備をしておくべきこと、さらに気持ちの上での準備も十分にしておくべきことになります。特にオフィスには、従業員という守るべき命が沢山あります。もちろん中で災害により余計な被害をこうむることがないように対策をしておくべきでもありますが、従業員にも家族がいます。個人個人に守るべき命もあるでしょう。その時に「なんとか帰宅しないと」と思ってはいても思うようにいかない時もあります。そういった時のためにどのように命を守り、安全に行動するか、ということをまとめて「東京都帰宅困難者対策ハンドブック」というものがPDFで閲覧できますから、一読しておくとよいでしょう。
耐震構造とは
地震の際にどれだけ安全な建物なのかを推し量る基準として「耐震構造」について把握しておくことも有効です。この耐震構造、というのは建物の構造部分(柱・梁)そのものが地震に耐えられるように設計された建物ということですが、震度4から5弱であれば問題なく耐えられ、震度5強についても倒壊を防止することが可能なレベルで建築されています。ですが、東京都が見直した震災時の被害想定のよれば多くの東京都のエリアが震度6から7となるという想定になっていますから、この耐震構造だけでは安心だといえることはできないでしょう。その時にどう身を守るかということはそれぞれが考え、対策も必要になってきます。きちんと対策をして、大震災でも落ち着いて行動できるようにしておきたいですね。
制震構造とは
オフィスにおける地震対策、もちろん個人宅にも十分適用できるものですが、建物の地震への強さというものは確認しておくべき最重要課題でもあります。そのうち「耐震構造・制震構造・免震構造」という言葉も耳にしたり目にすることがあると思いますが、「制震構造とは」ということについては、建物の内部にダンパーなどの地震エネルギーを吸収する部品を取り入れた設計による建築のことで、”揺れにくさ”の判断基準となります。ないとは思いますが、これだけではもちろん構造として地震に耐えうるかということは判断しかねる基準でもありますから、耐震基準についても確認しましょう。きちんと”地震が来た時どこまで安心できるのか”を知ることが自衛として重要なポイントになるでしょう。
免震構造とは
地震にたいする建築物の安全基準として「耐震構造・制震構造・免震構造」とよばれるものもチェックする必要があります。必須となっているのは耐震構造で、あとの2つは任意になっていますので、耐震構造+なにがあるのか、ということはチェックしておきたいところ。耐震構造は地震が起きた時にどこまで倒壊をふせげるのか、ということで制震構造は揺れをどこまで吸収するのか、ということ。さらに免震構造というのはなにかというと、制震構造よりもコストがかかりますが、「揺れをどこまで抑えられるのか」という対策を講じているということになります。耐震+免震、となっているとかなり安心でもあり、多くの守るべき命を預かるオフィスという場所であることを考えると、これからはかなり重要になってくるポイントとなるのかもしれません。